教養・歴史特集

「最低限の作業で元に戻すのが修復師」中澤宗幸 日本ヴァイオリン創業者・顧問 ストラディバリウスの世界 

    中澤宗幸 日本ヴァイオリン創業者・顧問
    中澤宗幸 日本ヴァイオリン創業者・顧問

     製造から300年以上経た楽器を使い続けるためには、修復師の存在が欠かせない。国内屈指のオールド・バイオリンの修復師である中澤宗幸さんに、修復師の仕事について聞いた。

    (編集部)

     これまでに60丁以上のストラディバリウスを手にしてきました。共通するのは、ただ素晴らしい音が鳴るだけでなく、秀でた芸術品でもあることです。なぜ他の製作者はまねをできないのか、それはわかりません。ただ一つ言えることは、ストラディバリはバイオリンの材料となる素材と対話できる人だったということです。私の実家は兵庫県で山林業を営み、私自身も木とともに育ちました。父は植林をする時、「ここは風が強い場所だから、しわい(固い)木が育つ」なんて話をしていました。ストラディバリもそういう知識を持って素材を選んでいたのでしょう。

     バイオリンの修復とは、オリジナルを保つお手伝いをする仕事です。いかに最低限の作業で元の状態に戻すかが問われます。比較的簡単に直せるものもありますが、いったん分解する「開腹手術」が必要な場合もあります。

    残り1187文字(全文1634文字)

    週刊エコノミスト

    週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
    有料会員になると、続きをお読みいただけます。

    ・会員限定の有料記事が読み放題
    ・1989年からの誌面掲載記事検索
    ・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

    通常価格 月額2,040円(税込)

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    7月14日号

    コロナが迫る 非接触ビジネス第1部16 「脱3密」に勝機あり リアル×ネットで株価急騰 ■白鳥達哉/種市房子19 インタビュー 鈴木康弘 日本オムニチャネル協会会長、デジタルシフトウェーブ社長 「ネット起点に、実店舗を運営」20  諸富徹 京都大学大学院 経済学研究科教授 「脱炭素社会への契機にも」 [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ情報

    最新の注目記事

    ザ・マーケット