新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

教養・歴史 歴史書の棚

歴史書の棚 「署名」か「はんこ」か 印判に見る出色の日本人論=今谷明

 親族の一人でも亡くなると、その後の手続きは面倒なことになる。署名には多く実印を求められるから、印鑑登録から始まり、印鑑証明を要し、相続ともなると兄弟の印鑑まで集めなければならないこともある。

 このように我々の生活には印判はつきものであるが、欧米ではサイン(我が国中世の花押(かおう)─署名の一種)で済ませる国も多い。評者も数十年前、国家公務員在任時に、上司のキャリア官僚が花押で署名していたのを幾度も見た。

 門田誠一著『はんこと日本人』(吉川弘文館、2200円)は、このような現代日本の“印判主義”がいつ頃から成立したのか、古代にさかのぼって印判と日本人の関係性を論じた興味深い“日本人論”といえる。

残り625文字(全文926文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事