最高値から8割も下落した欧州銀株=市岡繁男
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今年10月からの世界的株安のなかで、目立って下げているのは銀行株だ。1月高値からの銀行株下落率は米国が14%、日本が18%、そして欧州が30%だ(図1)。下落が加速したのは米長期金利が9月下旬に3%を超えてから。利ざやを圧迫する長短金利差の縮小は8月下旬で収まり、これまでなら銀行株が買われる局面だ。投資家は、長期金利が5月の水準を抜いたのを見て、金利上昇で収益改善というプラス思考から、保有債券の損失拡大という現実に立ち返ったのである。実際、いま大手米銀の保有証券含み損率は純資産の3%に達している。これは2000年のITバブル崩壊、08年のリーマン・ショック直前と並ぶ水準だ。
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