経済・企業学者が斬る・視点争点

春闘の賃上げ率は「二極化」傾向=河越正明 学者が斬る

図1 2018春闘調査結果の賃上げ率の分布
図1 2018春闘調査結果の賃上げ率の分布

大企業依存脱却が好循環の鍵

 10月18日に連合が2019春闘の基本構想を公表した。春闘に向けた賃上げの議論のスタートに当たり、前回の2018春闘の結果の精査がまず必要だろう。

 連合のシンクタンクである連合総研では、春闘の結果の原データを精査して詳細な報告(「連合の春闘結果集計データにみる賃上げの実態」)を毎年まとめている。筆者はこのプロジェクトに参加して2018春闘まで4年分のデータを分析した。そこから見えてきたのは、大企業において賃上げ率の高い企業と低い企業の二極化が進みつつある実態である。

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