教養・歴史書評 読書日記

美村里江の読書日記 先人の言葉と共に考える 100年生きる、ということ

×月×日

 現在日本は長寿大国だが、私たち後続の世代はもっと長く生きるのか、それとも、そうはいかず早死になのか……。医学的根拠に基づくこともなく、いろいろな説が世間を巡っている。皆不安なのだろう。

 私は自分の長生きに興味はなかったが、この本を読んで初めて、長生きした人の視点から見る世界に興味が湧いた。『100年人生の生き方死に方 百寿者(センテナリアン)からの伝言』(久恒啓一著、さくら舎、1400円)。

 100歳以上の方々をセンテナリアン、日本語では「百寿者」と呼ぶが、著者はもう少し広い範囲で捉え、長く生きた先人たちの功績や名言を紹介。例えば、洋画家の梅原龍三郎97歳、仏教学者の鈴木大拙95歳、漢字研究者の諸橋轍次が99歳(年齢は没年齢)。100歳超えも多く、88歳の葛飾北斎が最年少という布陣だ。総勢81人。

残り983文字(全文1341文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事