教養・歴史書評 読書日記

美村里江の読書日記「ふつうのおんなの子」は万葉の子、原始の子

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「〇〇女子」がはやった折、何歳までを女子と呼ぶのか? 成人していれば「女性」だろう、など議論があった。しかし『「ふつうのおんなの子」のちから 子どもの本から学んだこと』(中村桂子著、集英社クリエイティブ、1500円)の「ふつうのおんなの子」の定義は飛び抜けて奥深い。理学博士の著者によれば、あの岡本太郎も「ふつうのおんなの子」的だという。

『万葉集』のころは誰もがおおらかで、自然体の魅力に満ちていた。ところが江戸時代の浄瑠璃や歌舞伎には、「女らしさ」が登場する。だから(「ふつう」とは一人ひとり当然違うことを前提として)「ふつうのおんなの子」とは、いわば「万葉の子」で、自然の一部で、時代に左右されない存在なのだ。

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