教養・歴史歴史書の棚

歴史書の棚 「天下人」をめぐる痕跡 今日に残る東西分派=今谷明

    一向宗(浄土真宗)の本山・本願寺はなぜ東西に分かれているのか。京都では誰怪しむ者なく、“お東さん”“お西さん”の愛称で呼びならわしている。

     JR京都駅で下車して驚かされるのは東本願寺の巨大な伽藍(がらん)であるが、お東の建物のほとんどは明治以降の造営で、文化財は圧倒的にお西のほうに軍配が上がる。国宝の飛雲閣(ひうんかく)、北能舞台、唐門、対面の間以下、桃山時代にさかのぼる豪華な建築は、みなすべてお西(本派本願寺)に属する。

     創価学会を別として仏教の最大宗派である本願寺が東西に分立していることについては、戦国桃山期における複雑かつ政治的な背景があり、あたかも鎌倉後期に皇統が時明院統と大覚寺統で争っていた事例に比較さるべきものといえよう。

    残り550文字(全文871文字)

    週刊エコノミスト

    週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
    有料会員になると、続きをお読みいただけます。

    ・会員限定の有料記事が読み放題
    ・1989年からの誌面掲載記事検索
    ・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

    通常価格 月額2,040円(税込)

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    12月8日号

    もうかるEV(電気自動車)、電池、モーター14 「電動化」が業績・株価を左右 「次の勝者」探しも活発化 ■神崎 修一/桑子 かつ代/斎藤 信世16 巨人の焦り トヨタから「自動車」が消える日 ■井上 久男18 自動車部品 日本電産が台風の目に ■遠藤 功治20 図解 EV用電池「国盗り物語」 ■編集 [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ情報

    最新の注目記事