チャイナウォッチ 下さぬ「途上国」の看板 反発する欧米=岸田英明
中国はいまも「発展途上国」の看板を掲げ、国際的な貿易ルールを定める世界貿易機関(WTO)の規定で優遇を受けている。貿易自由化の義務などを免除・緩和する「特別かつ異なる待遇」の規定は、WTO改革の争点の一つにもなっている。習近平国家主席は「WTOの重要な礎であり、この原則は否定できない」と訴え、「途上国」としての特別扱いを維持したい考えだ。
一方、米国や欧州は「中国の特別扱いを認めない」というメッセージを強めている。米国は、中国に「不公正な貿易慣行」の是正を求め、制裁関税を強化させている。ドイツとフランスの駐中国大使は11月初旬、連名で中国の経済誌に寄稿。「EU(欧州連合)の企業は中国で、中国企業がEUで享受しているのと同じ市場機会を享受できなければならない」と訴えた。相互主義の観点から、中国に対して、全産業で外国企業の出資制限を撤…
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週刊エコノミスト
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