論壇・論調 独与党の新党首危ういスタート 保守派有権者の信頼回復なるか=坂東賢治
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ドイツのキリスト教民主同盟(CDU)は、2018年12月の党大会で、メルケル首相に近いA・クランプカレンバウアー幹事長を党首に選んだ。だがクランプカレンバウアー氏の得票率は51・8%と同党首選で最低。論壇の反応も真っ二つに分かれた。
メルケル政権に好意的なドイツの公共放送局ARDのW・ベルンゼン記者は12月7日に「CDUは、党を大きく変えるような実験を好まない。その意味でクランプカレンバウアー氏の党首就任は、当然の結果だ。代議員たちは変化を求めたが、メルケル路線との完全な決別は望まなかった。この投票結果は理性的な判断に基づくものであり、新党首は急激な路線変更を行わないだろう」と論評した。
リベラルな読者が多いドイツの週刊新聞『ツァイト』のJ・ハンゼル記者は12月8日の電子版で「CDUで初めて女性が2人連続で党首を務めることになった。メルケル氏はザールラント州首相だったクランプカレンバウアー氏を今年春にCDU幹事長に抜擢(ばってき)することによって、この『革命』を実現した。ドイツの女性はメルケル氏の下で初めて高い政治意識を持つ社会集団に成長した」とクランプカレンバウアー氏の選出を好…
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週刊エコノミスト
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