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国際・政治 東奔政走

目先の対応に追われる政権 混沌とするポスト安倍戦線=前田浩智

参院法務委員会で入管法改正案について質問を聞く安倍晋三首相(奥)(2018年12月6日)
参院法務委員会で入管法改正案について質問を聞く安倍晋三首相(奥)(2018年12月6日)

 自民党総裁選(2018年9月)が終わって少ししたころ、同党中堅議員らとの会合で、「ポスト安倍」談義に花が咲き、古い一冊の本が話題になった。

『戦後保守政治の軌跡』(岩波書店)。月刊誌『世界』に1980~81年にかけて連載された、戦後政治を取材してきた3人のジャーナリストの対談をまとめたものである。

「繕い師」

『軌跡』は、ベトナム戦争に敗北するなど米国の力が低下する中での戦後保守政治の動揺が大きなテーマだが、話題になったポイントはそこではない。朝日新聞東京本社編集局長などを務めた後藤基夫氏が佐藤栄作・長期政権(64~72年)以後の田中、三木、福田、大平、鈴木の5内閣について語った次の言葉である。

「戦後保守は矛盾がダーッと噴き出た。(中略)行き着く先だと言える事態になった。したがって僕は、田中以後の内閣はいまの鈴木内閣をも含めて、保守のほころびの繕いというか弥縫(びほう)する内閣なんだと思う。『繕い師』なんだ」

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