荒れる市場 揺らぐFRBの威信=浜田健太郎
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「適切な経済のためには、我々は素早くかつ柔軟に対応する準備がある」──。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は1月4日、米南部ジョージア州アトランタで開いたアメリカ経済学会のシンポジウムで、緊張した面持ちで発言した。
2週間あまり前の12月19日、連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、「2019年は、2回の利上げに見合うような経済状況になるだろう」という自らの発言を打ち消し、利上げの一時停止の可能性を示唆したものだ。
2時間前には米労働省が12月の雇用統計を発表。景気を敏感に反映する非農業部門の就業者数が31万2000人増加し、市場予想(約18万人)を大きく上回ったこと受け、ニューヨーク株式市場ではダウ工業株30種平均が反発して始まり、パウエル議長の発言が市場に流れると株価は一段と上昇。ダウ平均は前日比746.94ドル高の2万3433.16ドルで引けた。
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週刊エコノミスト
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