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オリンパス事件「上告棄却」が照らし出す“人質司法”の闇=稲留正英

    最高裁も時間をかけて検討した形跡はある
    最高裁も時間をかけて検討した形跡はある

     オリンパスの巨額粉飾決算事件で、「不正会計をほう助した」などとして罪に問われた元野村証券社員横尾宣政氏の裁判は、最高裁が無罪を主張する同氏の上告を1月22日付で棄却し、懲役4年、罰金1000万円の実刑判決が確定した。

     本誌の調査報道や刑事裁判に並行する民事裁判で、検察の主張を覆す数々の新証拠や新証言が出てきたが、最高裁の判断は動かなかった。

     横尾氏は取り調べの段階で一貫して無罪を主張し、供述調書へのサインを拒んだため、勾留期間は計966日間に上った。欧米のメディアの間では、有価証券虚偽記載などの容疑で逮捕され、同様に勾留日数が長期化する日産自動車のカルロス・ゴーン前会長に関連し、身柄を長期間拘束し弁護士の同席がないまま自白を強要する「人質司法」への批判が高まっており、それが、横尾氏の判決に影響を与えたとの声も出ている。

     オリンパスの不正会計は、バブル時代の財テクの失敗により、約1000億円の損失を抱えた同社が、英国領ケイマン諸島などの簿外ファンドに含み損を抱えた金融商品を隠匿。国内ベンチャー企業や英国医療企業の買収の形などを通じて、簿外ファンドに資金を融通し、簿外損失を解消したもので、同社は2011年11月にその事実を公表した(表)。

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