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インフレ40%超のアルゼンチン 街角に跋扈する闇両替商=黒木亮

一見、右の2人組の男が闇両替商にみえるが、実は木の手前のワンピースの女性がそう。フロリダ通りには老若男女さまざまな闇両替商がいる(筆者撮影)
一見、右の2人組の男が闇両替商にみえるが、実は木の手前のワンピースの女性がそう。フロリダ通りには老若男女さまざまな闇両替商がいる(筆者撮影)

 ブエノスアイレス随一の繁華街、フロリダ通りには公認両替店が並び、各種通貨の売りと買いのレートを派手な電光掲示板で表示している。

「カンビオ(両替)、カンビオ」

「カンビオ、カンビオ」

 通りを歩くと、数メートルおきに立っている闇両替商たちに声をかけられる。年齢も性別もさまざまで、見た目はどこにでもいる普通の人々である。近づいて交換レートを聞くと、手にしたスマートフォンで通貨と数字を示し、「あと0.5ペソなら上乗せできる」と交渉が始まる。正規のレートとの差はそれほど大きくない。公認両替店が1ドル=38ペソであるのに対し、38.5ペソか、せいぜい39ペソである。それでも自国通貨を信頼しないアルゼンチン国民は、少しでも安くドルやユーロを手に入れようと、違法な闇両替商を利用する。

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