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米露がINF全廃条約を破棄 短中距離ミサイルの“価値”急上昇=丸山浩行

    米露の思惑はすれ違う Bloomberg
    米露の思惑はすれ違う Bloomberg

     中距離核戦力(INF)全廃条約が8月2日に失効した。トランプ米大統領が2月1日、1987年以来32年間にわたり米露両国に中距離ミサイルの製造・保有を禁止してきた同条約脱退をロシアに一方的に通告。プーチン大統領も即日、同条約の義務履行の停止を宣言し、規定により6カ月後に条約は効力を失った。

     翌日の8月3日には、エスパー米新国防長官が、中距離ミサイルの開発本格化やアジア(グアム、フィリピン、韓国、日本)配備に言及した。

     冷戦時代の米国やソ連にとって、最大の戦略的な資産価値があったのは、長い射程を持ち、相手の本土を攻撃可能な、(1)大陸間弾道ミサイル(ICBM)、(2)潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、(3)戦略爆撃機という強力な核兵器群だった。それと比べると、中距離弾道ミサイルの資産価値は「あればよし、なくても困らない」の程度でしかなかった。

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