インド 中国資本が新興企業に熱視線=NNAインド版編集部
インドのスタートアップ企業の間で中国資本が浸透している。
インドのシンクタンク、ゲートウエー・ハウスの報告書では、今年3月までの過去5年間で、同国のユニコーン(企業価値が高い新興企業)30社中18社が中国企業から出資を受け、総額40億米ドル(約4350億円)近くに上る。
アリババグループやテンセントなどの中国IT大手企業が主な投資家で、電子商取引(EC)やフィンテック(ITを活用した金融サービス)などへの出資が目立つ。アリババなどはインドのEC大手スナップディールに7億米ドル、テンセントなどが配車事業オラに5億米ドル、食事宅配事業の美団点評などが同業スウィッギーに5億米ドルを出資した。
ゲートウエーのアミト・バンダリ氏は「国内投資家がためらう中、中国や米国、日本の投資家が有力新興企業にこぞって巨額を投資。中国の投資家は新興企業の成長を長期間、支援する意向が強い」と指摘する。
関係者は「中国資本は本国での成功体験を再現できるインド企業を探している」と分析する。資金とともにノウハウや技術も流れ込み、「今後数年でインドの事業は大きく発展する」と期待している。
(NNAインド版編集部)