教養・歴史 書評 『MMTとケインズ経済学』 永濱利廣著 ビジネス教育出版社 2000円 2020年4月24日 『MMTとケインズ経済学』 永濱利廣著 ビジネス教育出版社 2000円 いまをときめく「MMT(現代貨幣理論)」の解説書は多いが、多くは新理論の利点を伝えることに腐心しているようだ。半面、先行理論との比較で語ることが少なく、読者はMMTを客観的に評価しにくいきらいがある。例えば、「流動性の罠(わな)」の下では金融政策が効かないため財政出動を容認するのは主流派も同じだが、MMTは財政政策“のみ”で経済安定を目指す。新旧理論の共通項と違いを丁寧に説く本書はバランスのとれた入門書だ。(O) 前の記事 4月2~8日(ビジネス/新書) 次の記事 倒錯世界でまっとうに生きる 浅田次郎最新作を堪能=孫崎享 文字サイズ 小中大 印刷