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ホワイトハウスがひた隠しにする「米権力中枢コロナ感染」の真相

米ホワイトハウスの中庭サウス・ローン=米ワシントンで2019年(令和元年)7月15日、高本耕太撮影
米ホワイトハウスの中庭サウス・ローン=米ワシントンで2019年(令和元年)7月15日、高本耕太撮影

新型コロナウイルスが米国の権力中枢に及び始めた。

5月7日、トランプ大統領の身の回りの世話をする「バレー(従者)」という役職の海軍所属軍人が感染したことが判明。

翌日にはペンス副大統領を担当するケイティー・ミラー報道官と夫のスティーブン・ミラー大統領上級顧問も陽性が確認された。

トランプ政権が頼る公衆衛生の重鎮も次々と自宅隔離に入った。

疾病対策センターのレッドフィールド所長、国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長、食品医薬品局のハーン長官の3人だ。

11日には、大統領執務室のあるホワイトハウス西棟に勤めるスタッフ全員にマスク着用が義務化された。

同日の記者会見で「なぜ大統領は着用しないのですか」と問われたトランプ氏は「私はしない。私は誰の近くにもいないから」とした。

4月3日に「自分ですることになるとは思わんな」と答えたきり、公の場で一度も着用していない。

トランプ氏には「発言内容がブレる」という批判が絶えない。

感染が広がる州政府が市民の外出を規制したことに対し、「規制をやめて経済活動を再開すべきだ」と批判。

しかし州政府が規制を緩和し始めると、今度は「早すぎる緩和で死者が増える」と、立場を一転するという具合だ。

CNNは5月13日、世論調査会社SSRSが今年の大統領選での投票意向を有権者に尋ねた結果を報じた。

それによると、バイデン前副大統領の51%に対してトランプ氏は46%。

バイデン氏には女性にセクハラをした疑惑が浮上しているが、表に出ず沈黙を保っている。失言を重ねるトランプ氏の敵失に救われている形だ。

一方、沈黙を保っていたオバマ前大統領が現政権の対策を「非常に混こん沌とんとした大惨事だ」と発言。

トランプ氏はオバマ政権時代の盗聴疑惑を示唆して「オバマゲートはウォーターゲートを小さく見せる」とツイートしてやり返した。

指導者がこれでは米国のコロナ収束はまだ遠い。

(土方細秩子)

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