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「コロナ連鎖倒産」から企業を救う?「ネットファクタリング」とは何か

東京都千代田区で2020年4月2日、武市公孝撮影
東京都千代田区で2020年4月2日、武市公孝撮影

中小事業者の間で「ファクタリング」というサービスに関心が高まっている。

利用者は売掛金の債権をファクタリング会社に売り、現金を早く手にできるというサービスだ。

貸し倒れリスクがなく、手形などと異なり印紙税がかからない分、債権回収コストが低い。

最近はインターネットを使う「ネットファクタリング」が台頭しているという。

大手銀行の幹部はこう説明する。

「利用者の申請をネットで受け付け、AI(人工知能)を使って審査するのが主流。最短で申し込んだ日に入金する速さを売りにしています」

金利に相当する手数料は債権の2〜10%程度が一般的。利用者は債権から手数料を差し引いた金額をファクタリング会社から手にする仕組みだ。

主な事業者には日本で初めてネットファクタリングを始めた「OLTA(オルタ)」(東京都港区)、会計ソフトウエアの「freee( フリー)」( 品川区)、家計簿アプリの「マネーフォワード」(港区)の子会社「MF KESSAI」がある。

銀行はファクタリング会社との連携に前向きだ。

りそな銀行、東日本銀行、山陰合同銀行などはオルタと提携し、顧客を紹介する。

新生銀行は1月、オルタと共同で「anew(アニュー)」を設立し、債権が比較的多い法人向けに進出した。

銀行はファクタリング会社に顧客をつなぐことで紹介手数料を得るメリットがある。

中小事業者が銀行に融資を申し込んでも審査に時間がかかる。政府による持続化給付金も同様だ。

飲食業のある経営者が言う。

「100万円前後の資金を確保するには、すぐさま現金が手に入るネットファクタリングは格好のサービスです。持続化給付金が入る間のつなぎ資金として使い勝手がいい」

利用が急増しているとみられ、さしずめ「コロナバブル」といった状況だ。

しかし景気後退の中、ファクタリング会社の買い上げた債権が回収不能になる恐れは高まっている。気がかりだ。

(森岡英樹)

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