教養・歴史 書評 『不確実性の人類学』 アルジュン・アパドゥライ著 以文社 3000円 2020年5月29日 『不確実性の人類学』 アルジュン・アパドゥライ著 以文社 3000円 現代の金融市場を成り立たせるものは何か、という問いにインド出身の文化人類学者が挑んだ。先物取引などのデリバティブ(金融派生商品)は、預貯金や株式といった金融商品を効率的に資産運用する手段と捉えられている。だが、著者はリスクも大きいデリバティブの論理に対抗する思考として人類学を参照。西洋的「個人」ではなく、人はさまざまな関係性の結節点であるという「分人」主義が、グローバリゼーションから脱却する可能性をもたらすと指摘する。(J) 前の記事 5月7~13日(ビジネス/ノンフィクション) 次の記事 アメリカ ブーム再過熱、オバマ夫人自伝の政治的意味=冷泉彰彦 文字サイズ 小中大 印刷