教養・歴史 書評 『現実を解きほぐすための哲学』 小手川正二郎著 トランスビュー 2400円 2020年5月29日 『現実を解きほぐすための哲学』 小手川正二郎著 トランスビュー 2400円 性差。人種。親子。難民。動物の命。本書は、人々のあいだに深刻な対立を生み出し、社会を分断してしまうこれら五つの問題について書かれている。本書の最大の特徴は、経験や知識が人それぞれであることは当然として、徹頭徹尾、自分の言葉で考えることを読者に要求している点にある。そのために著者は、大学で学生に対して、家庭でわが子に対して自分がしでかした過ちを俎上(そじょう)に載せ、なぜそうなってしまったかを根気強く問い詰めていく。(K) 前の記事 5月7~13日(ビジネス/ノンフィクション) 次の記事 アメリカ ブーム再過熱、オバマ夫人自伝の政治的意味=冷泉彰彦 文字サイズ 小中大 印刷