教養・歴史 書評 『アナザー1964 パラリンピック序章』 稲泉連著 小学館 1700円 2020年5月22日 『アナザー1964 パラリンピック序章』 稲泉連著 小学館 1700円 日本中が東京五輪に沸いた1964年、パラリンピックというもう一つのドラマがあった。突然「選手」として参加が決まった脊椎(せきつい)損傷の患者らが、大会を経て人生観を変え、自立へ進んでいった姿を追った秀逸なドキュメントだ。快活にスポーツを楽しむ海外の障害者に衝撃を受け、日本との格差に気づき、苦労の末に働く場の創出などを成し遂げていく。著者の指摘通り、「世の中を変革していく『当事者』たちを生んだ」画期的な出来事だったのだ。(W) 前の記事 4月30~5月6日(ビジネス/フィクション) 次の記事 『佐藤栄作 最後の密使』 宮川徹志著 吉田書店 2900円 文字サイズ 小中大 印刷