教養・歴史書評

『アナザー1964 パラリンピック序章』 稲泉連著 小学館 1700円

『アナザー1964 パラリンピック序章』 稲泉連著 小学館 1700円

 日本中が東京五輪に沸いた1964年、パラリンピックというもう一つのドラマがあった。突然「選手」として参加が決まった脊椎(せきつい)損傷の患者らが、大会を経て人生観を変え、自立へ進んでいった姿を追った秀逸なドキュメントだ。快活にスポーツを楽しむ海外の障害者に衝撃を受け、日本との格差に気づき、苦労の末に働く場の創出などを成し遂げていく。著者の指摘通り、「世の中を変革していく『当事者』たちを生んだ」画期的な出来事だったのだ。(W)

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