新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

経済・企業 ワールドウオッチ

香港 失業率 過去15年で最悪に=江藤和輝

閉鎖された店舗には「生活のために営業させてくれ」と訴える張り紙が 筆者撮影
閉鎖された店舗には「生活のために営業させてくれ」と訴える張り紙が 筆者撮影

 特区政府統計処の発表によると、香港の3〜5月の失業率は5・9%に達し、リーマン・ショック時の5・5%を超えて過去15年で最悪となった。昨年からのデモ活動と、新型コロナウイルス流行の打撃によるものだ。特に小売り、ホテル、外食業を含む消費・観光業の失業率は10・6%と、SARS(重症急性呼吸器症候群)流行時よりも高い水準になっている。

 低所得層の生活は、以前にも増してさらに厳しい。貧困層の多い地域では最近、ショッピングモールのフードコートで残飯を探し歩いている人を目にすることも多くなった。ある地元紙記者が観察してみたところ、身なりの整った高齢者が食べ残されたドリアを持参した容器に詰め込んで立ち去る場面や、40歳ぐらいの男性が他人が食べ残した蒸し魚ご飯とスープを残さず平らげる姿が見られた。また、別の男性は、手に箸を持ちながらフードコートを巡回し、食べ残しを見つけるとすぐさまつまんでいたという。

 中国本土に居住しながら香港で仕事をしていた人が、出入境制限のため香港にとどまり、失業してホームレスになる例も多い。政府は給与補助措置を打ち出すなど雇用維持に努めているが、どこまで失業を食い止められるだろうか。

(江藤和輝・香港ポスト編集長)

インタビュー

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

11月26日号

データセンター、半導体、脱炭素 電力インフラ大投資18 ルポ “データセンター銀座”千葉・印西 「発熱し続ける巨大な箱」林立■中西拓司21 インタビュー 江崎浩 東京大学大学院情報理工学系研究科教授、日本データセンター協会副理事長 データセンターの電源確保「北海道、九州への分散のため地産地消の再エネ [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事