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「ウソつきで信頼できない」北朝鮮からも見放される韓国・文在寅政権【サンデー毎日】

関西国際空港に到着した韓国の文在寅大統領(左)=関西国際空港で2019年6月27日午後3時55分、小松雄介撮影
関西国際空港に到着した韓国の文在寅大統領(左)=関西国際空港で2019年6月27日午後3時55分、小松雄介撮影

6月16日に北朝鮮・開城にある南北共同連絡事務所を北朝鮮が一方的に爆破した。

これは、2018年に行われた南北首脳会談で交わされた約束を守らない韓国への不満が爆発した結果だ。 

爆破に至るきっかけは、韓国の脱北者団体が北朝鮮に向けて送り続けてきたビラだ。

彼らは南北軍事境界線付近でビラを入れた袋を気球につけて飛ばしてきた。

ビラは2000年代から飛ばされてきた。北朝鮮の体制を批判する内容が記されているが、金正恩朝鮮労働党委員長や李雪主夫人の私生活を揶揄する内容も少なくはなかった。

これが北朝鮮の逆鱗に触れた。 

北朝鮮側はこのようなビラの散布に強く抗議してきた。

また、18年4月の南北首脳会談による「板門店宣言」には、「軍事境界線一帯でビラ散布など敵対行為を中止する」ことで合意している。

それでも脱北者団体による散布をとめない韓国政府に今までにないほどの強い不満があったようだ。 

さらに、板門店宣言など首脳会談の合意内容は、現段階でほぼ履行されていない。

例えば、開城工業団地の再稼働や金剛山観光の再開など経済協力事業の推進は、米国や国連が主導する経済制裁に抵触してしまう可能性が高い。

韓国は当時、制裁に抵触しない部分で十分やれると考えていたようだが、実際には厳しい。 北朝鮮は、朝鮮半島のことは南北が決め、米国を気にする必要はないと主張する。

それができない韓国の文在寅政権は「ウソつきで信頼できない」と何回も表明してきた。

合意から2年が経ち、韓国側を揺さぶる目的で爆破を決めたと言えるだろう。 

北朝鮮は爆破直後、開城工業団地への軍部隊配置といった軍事行動を行うとしたが、6月23日に「韓国への軍事行動計画を保留する」と発表した。

いったん、韓国政府の今後の行動を見守る意図が垣間見えるが、北朝鮮は今後も強硬姿勢をとり続ける可能性が高い。

(浅川新介)

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