教養・歴史 書評 『民衆暴力』 藤野裕子著 中公新書 820円 2020年9月18日 『民衆暴力』 藤野裕子著 中公新書 820円 日本の近現代に起きた一揆、暴動、虐殺を取り上げている。こうした民衆の暴力は、学校で詳しく教えない。教科書に載る「文明開化」のひと言の裏には、「人力車夫が鉄道馬車に仕事を奪われ、………鉄道馬車を転覆させてもおかしくないほど敵意」が潜んでいた。百姓一揆、新政反対一揆、秩父事件、日比谷焼き打ち事件、朝鮮人虐殺でふるわれた民衆の暴力の底にある意識を分析していく。暴力の理由は多様だが、どれも国家の政策に端を発する。(T) 前の記事 『経済人類学入門』 鈴木康治著 作品社 2400円 次の記事 9月3~9日(ビジネス/フィクション) 文字サイズ 小中大 印刷