教養・歴史書評

『アンダークラス2030』 橋本健二著 毎日新聞出版 1400円

『アンダークラス2030』 橋本健二著 毎日新聞出版 1400円

 新型コロナウイルスの勢いが衰えを見せない状況の中で、医療崩壊や飲食店の苦境など多くの問題が発生している。階級構造研究の第一人者である著者は雇用に焦点を当て、ズバリ「コロナ禍を契機に就職氷河期が再来し、永続化する可能性もある」と指摘する。本書が具体的に考察対象とするのは、非正規雇用で所得が低い「アンダークラス」と呼ばれる階級だ。その数、実に1200万人。努力では到底活路を見いだせない日本の縮図がここにある。(K)

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