教養・歴史 書評 『ドキュメント 日銀漂流』 西野智彦著 岩波書店 2500円 2020年12月18日 『ドキュメント 日銀漂流』 西野智彦著 岩波書店 2500円 1998年の改正日銀法施行で政府からの独立性向上を勝ち得たが、その後も政府・与党の思惑に翻弄(ほんろう)され続ける日銀。世界金融危機など未曽有の試練に際し、ゼロ金利や量的緩和といった異例の政策を打ち出してきた。四半世紀に及ぶ苦悩の歩みを、5人の総裁を軸に再現した卓抜なドキュメント。アベノミクスに傾倒する黒田東彦総裁と執行部の不協和音など、裏側の議論や駆け引きが真に迫る。金融政策の難しさをあぶり出した著者の圧巻の取材力が光る。(W) 前の記事 中国 「勝者は王、敗者は乱賊」の歴史を覆す=辻康吾 次の記事 2020年12月10~16日(ビジネス/ノンフィクション) 文字サイズ 小中大 印刷