教養・歴史 書評 『グローバル・タックス』 諸富徹著 岩波新書 820円 2021年1月2日 『グローバル・タックス』 諸富徹著 岩波新書 820円 経済のグローバル化、デジタル化で、従来の国際課税ルールが機能不全に陥っている。グローバル企業が莫大(ばくだい)な利益を上げながらわずかしか納税していない実態と、租税回避を封じ込めるため、国際協調に基づく新たなルールを導入しようとする議論を財政学者が端的に整理した。課税権力もまたネットワークによるグローバル化を目指すが、抵抗は大きく道のりは険しい。国々が独自課税に走れば貿易戦争に陥るといい、注視するうえでベースとなる一冊だ。(A) 前の記事 2020年12月10~16日(ビジネス/ノンフィクション) 次の記事 『われらが〈無意識〉なる韓国』 四方田犬彦著 作品社 2700円 文字サイズ 小中大 印刷