教養・歴史 書評 『縁食論』 藤原辰史著 ミシマ社 1700円 2021年1月22日 『縁食論』 藤原辰史著 ミシマ社 1700円 誰もが温かい食事でお腹(なか)を満たせる無料食堂がそこかしこに設けられていたら――。食と農業をテーマとする歴史学者はこれを「縁食」と名付け、7年にわたって論考をつむいできた。独り食べる孤食ではなく、共に食べなければならないという圧力にも陥らない、つかの間の居心地。食の責任を家族から解放し、食材の調達から調理まで食のプロセスすべてに人が集う。いわば子ども食堂の拡大版だ。コロナ禍の先、元に戻るのではない未来を示している。(A) 前の記事 2020年12月24~30日(ノンフィクション/新書) 次の記事 アメリカ ロマンス時代小説、TVドラマ化で大ブーム=冷泉彰彦 文字サイズ 小中大 印刷