教養・歴史 書評 『医療の外れで』 木村映里著 晶文社 1600円 2021年2月12日 『医療の外れで』 木村映里著 晶文社 1600円 性的少数者にシングルマザー、風俗で働く人、生活保護受給者……。医療とは、誰でも苦しいときに受けられるものであるはずが、社会から排除されがちな人々は医療者の心ない対応に傷つき、遠ざかる。仕事に就いて6年目の看護師が、負荷の高い現場とプライベートでの出会い、自身の傷多き人生を行き来しながら、医療者と患者双方の思いの背景を丹念に綴った。感情にも正しさにも寄りかからず考え続ける姿勢は、社会の分断をとどめる錨(いかり)だ。(A) 前の記事 1月21~27日(ビジネス/新書) 次の記事 コロナ禍対策 本の配達が一部で復活=永江朗 文字サイズ 小中大 印刷