教養・歴史 書評 『第三帝国』 ウルリヒ・ヘルベルト著 角川新書 1000円 2021年3月12日 『第三帝国』 ウルリヒ・ヘルベルト著 角川新書 1000円 イメージや断片的情報で語られがちなナチス・ドイツ。その全貌を第一人者が最新の研究潮流をふまえて概説した。戦争を遂行するには財源が乏しいことは当初から自明で、東欧を植民地支配し、労働力や食糧・物資を徹底収奪。民間人の殺りくはユダヤ人と強制収容所にとどまらず1000万人以上に上り、餓死者も多数出した。一方、国内の暮らしは守られ、ドイツ人は人種主義的なヒエラルキーの上位に役割を得た。知らなければ何も始まらない。(A) 前の記事 「色覚異常」の著者が探る 時に痛快なノンフィクション=高部知子 次の記事 2月25~3月3日(フィクション/ノンフィクション) 文字サイズ 小中大 印刷