教養・歴史 書評 『生物多様性を問いなおす』 高橋進著 ちくま新書 880円 2021年3月12日 『生物多様性を問いなおす』 高橋進著 ちくま新書 880円 ニホンオオカミの絶滅により天敵が消えた結果、ニホンジカが高山植物など貴重な植生を消滅させた例を挙げ、多様な生物の存続が不可欠と著者は論ずる。先進国が途上国の生物資源を収奪してきた歴史も詳述している。世界中に派遣された英国の「プラントハンター」の存在やオランダの富の源泉だったチョウジ貿易の争奪戦、アマゾンから密輸出したゴムの種子を英国が東南アジアで植えて成功させた話など、ディテールがよく調べられていて面白い。(T) 前の記事 「色覚異常」の著者が探る 時に痛快なノンフィクション=高部知子 次の記事 2月25~3月3日(フィクション/ノンフィクション) 文字サイズ 小中大 印刷