教養・歴史 書評 『彭明敏(ほうめいびん) 蔣介石と闘った台湾人』 近藤伸二著 白水社 2750円 2021年7月2日 『彭明敏(ほうめいびん) 蔣介石と闘った台湾人』 近藤伸二著 白水社 2750円 国民党の一党独裁政権下、台湾の民主化に命をかけた彭明敏氏。蒋介石政権を批判した彭氏は逮捕され、釈放後、米国へ亡命を図る。台湾大学時代からの友人、李登輝元総統と彭氏はともに日本で学んだが、台湾に残った李氏とは対照的な道を選んだ。日本人関係者が偽造パスポート作りに協力し、彭氏が飛行機で台湾を脱出する場面は白眉(はくび)。当局が1万余の船を調べており、決死の逃避行だった。台湾専門家の著者が丹念に秘史をあぶり出した渾身(こんしん)の大著だ。(F) 前の記事 6月10~16日(ビジネス/ノンフィクション) 次の記事 中国 「新時期文学」への想い=辻康吾 文字サイズ 小中大 印刷