教養・歴史 書評 『経理から見た日本陸軍』 本間正人著 文春新書 1320円 2021年7月2日 『経理から見た日本陸軍』 本間正人著 文春新書 1320円 防衛省で調達業務に携わった著者が、旧日本陸軍という大組織の実態を経理の側面から解明した。戦争がいかに莫大(ばくだい)な資金と軍需品を消費するかを、膨大なデータ分析から提示。予算確保を巡って旧大蔵省と駆け引きしたり、兵士の士気維持に不可欠な食事や日本酒の確保に奔走したりする担当者の苦労が浮かび上がる。海外で畑を耕して食料を現地調達できる体制を整備し、餓死を防いだ例も紹介。戦争の知られざる一面に光を当てた価値ある書だ。(W) 前の記事 6月10~16日(ビジネス/ノンフィクション) 次の記事 中国 「新時期文学」への想い=辻康吾 文字サイズ 小中大 印刷