教養・歴史 書評 『サイバースパイが日本を破壊する』 井上久男著 ビジネス社 1650円 2021年8月20日 『サイバースパイが日本を破壊する』 井上久男著 ビジネス社 1650円 米中新冷戦における経済安全保障がテーマ。安保を米国に依存しつつ、経済は中国抜きでは成り立たない日本だが、いまやネット空間から企業活動までのあらゆる日常で「軍事領域」が拡大し、軍民一体で攻撃を仕掛ける中国への対抗が必要だと強調する。サイバー攻撃で露呈した日本企業のずさんな管理に触れた箇所を読むと、リスク管理の要諦は「性悪説」の思想だと痛感する。ただ、よそ者に厳しく身内に甘い日本人には不可能な要求かもしれない。(H) 前の記事 『ケア宣言 相互依存の政治へ』 ケア・コレクティヴ著 大月書店 2420円 次の記事 待ったなしの危機感? 急展開する出版流通改革=永江朗 文字サイズ 小中大 印刷