週刊エコノミスト Onlineキリンを作った男・前田仁

「トップが腐れば会社は腐る」アサヒに猛追されながらも「キリンの天皇」の続投が決まった驚きの事情

1990年1月3日付、各紙朝刊にキリンが打った「ら党の人々」の全二面広告(写真は毎日新聞)。松坂慶子、勝新太郎、富田靖子、国広富之、手塚理美ら、豪華な面々が起用されている。この後、1月16日から、本邦初となるドラマCMがテレビ放映されるのだが。
1990年1月3日付、各紙朝刊にキリンが打った「ら党の人々」の全二面広告(写真は毎日新聞)。松坂慶子、勝新太郎、富田靖子、国広富之、手塚理美ら、豪華な面々が起用されている。この後、1月16日から、本邦初となるドラマCMがテレビ放映されるのだが。

「キリンの天皇」続投が落とす影

「一番搾り」が発売された1990年、キリンには暗雲が漂っていた。

前年度のシェアは48・8%と、22年ぶりに50%を割った。商品のバリエーションでアサヒに対抗する「フルライン戦略」を打ち出し、次々に新商品を投入した89年だったが、その戦略は不発に終わっていた。

ビール業界はむしろ活況を呈していた。

84年から89年までの6年間で、ビール市場は22・7%も成長している。

残り3839文字(全文4036文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月9日号

EV失速の真相16 EV販売は企業ごとに明暗 利益を出せるのは3社程度■野辺継男20 高成長テスラに変調 HV好調のトヨタ株 5年ぶり時価総額逆転が視野に■遠藤功治22 最高益の真実 トヨタ、長期的に避けられない構造転換■中西孝樹25 中国市場 航続距離、コスト、充電性能 止まらない中国車の進化■湯 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事