優秀な人間は左遷し、イエスマンを社長に……キリンを「暗黒時代」に突き落としたヤバすぎる人事の正体
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ノーマークの後継者
「みなさんの関心は私の進退にあると思う」
それは1991年12月9日夜、三菱グループの迎賓館である「開東閣」で開かれた、担当記者との懇親会の席上だった。
「キリンの天皇」と呼ばれたキリンビール社長本山英世は、突然、自身の進退について語りはじめた。
「4期8年社長を務め、ビール事業の基盤をなんとか固めることができた。今期はシェア50%達成も確実となった。よって、社長を引退するつもりだ」
突然の「特ダネ」に、筆者をはじめ、出席していた記者は懇親どころではなくなっていた。
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週刊エコノミスト
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