週刊エコノミスト Onlineキリンを作った男・前田仁

 「引退した社長が経営に口を出す」日本企業の「ヤバすぎるガバナンス」がいまだに修正されない驚きの理由

1989年の東証大納会は史上最高値の株価をつけ、威勢のいい手締めで取引を終えたが、90年代に入りバブルはあっけなく崩壊し、「失われた時代」へと入っていく
1989年の東証大納会は史上最高値の株価をつけ、威勢のいい手締めで取引を終えたが、90年代に入りバブルはあっけなく崩壊し、「失われた時代」へと入っていく

「天皇」の辞任

前田仁が子会社への出向を命じられた1993年3月。

日本社会は大混乱の真っ只中にあった。

不動産価格の暴騰を制御しようと、大蔵省銀行局(当時)が1990年3月に「総量規制」を導入。不動産向け融資の伸び率が、貸出全体の伸び率よりも低く設定されると、不動産バブルは徐々に沈静化していった。

それにともない、日経平均株価は、梯子を外されたかのように暴落をはじめる。

90年8月には「湾岸危機」が発生。原油価格が上昇し、その影響は日本経済を直撃。景気全体が冷え込んでいく。

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