「本当はもっと売れている!」「ライバル社は水増ししている!」……「キリンの天皇」がアサヒに仕掛けた「不正疑惑」の真実
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「一番搾り」大ヒットで息を吹き返す
「ふざけるな! どうして品切れなんだ」
「一番搾り」を少ししか割り当てられないことを、キリン北陸支社で営業を担当する上野哲生が告げると、問屋はそう言って激怒したという。
「一番搾りは一番搾り麦汁しか使っていない、贅沢なビールです。二番搾り麦汁を使わない分、他のビールよりも生産量は少ない。生産が追いつかないのですよ」
問屋にはこんな説明で納得してもらうしかなかった。もちろん、在庫が足りないのは予想外の急激な出荷増によるもので、「一番搾り」の特性によるものではない。方便もいいところだった。
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週刊エコノミスト
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