「私は手紙を書く代わりに映画を撮る」 野村展代監督インタビュー=井上志津
有料記事
昨年急逝した佐々部清監督のゆかりの地を親友の俳優、升毅さんがたどるドキュメンタリー映画「歩きはじめる言葉たち〜漂流ポスト3・11をたずねて〜」が公開中だ。監督の野村展代さんに完成までの道のりを聞いた。
(聞き手=井上志津・ライター)
「私は手紙を書く代わりに映画を撮る」
「今が独り立ちするタイミング。人と人とが思い合う姿を自分なりの形で表現したい」
── 監督を務めたドキュメンタリー映画「歩きはじめる言葉たち〜漂流ポスト3・11をたずねて〜」が公開中です。最初の企画は劇映画だったそうですね。
野村 もともとは岩手県陸前高田市にある「漂流ポスト」をモチーフに、そこで暮らす人たちの物語を描く予定でした。私は東日本大震災のボランティアを経験し、いろいろな話を聞いたので、被災地をテーマにした映画を作りたいと思っていたのです。佐々部清監督の前作2本(「群青色の、とおり道」2015年、「八重子のハミング」16年)のプロデューサーを務めた縁で、今回も佐々部さんが監督を、私がプロデューサーをするはずでした。でも資金繰りや内容の折り合いがうまくいかず、19年暮れに企画をストップしました。(情熱人)
残り3621文字(全文4114文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める