教養・歴史書評

『アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?』 カトリーン・マルサル著 河出書房新社 2310円

『アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?』 カトリーン・マルサル著 河出書房新社 2310円

「ジェンダーより経済が優先」と論じられるが、本書を読むと、今の経済の枠組みが偏っていると気付かされる。経済学の祖アダム・スミスは「個人が自由市場で自分の利益を追求すればうまく回る」と説いた。だが生涯、彼の世話をしていた母親は視野になかった。女性が担ってきた家事や育児、介護といったケアはかつては経済の枠外であり、市場に組み込まれた今は低賃金。女性の社会進出とは、男性中心の経済への参加を意味する。新たな経済観が求められている。(A)

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