教養・歴史 書評 『賃労働の系譜学』 今野晴貴著 青土社 2420円 2022年1月7日 『賃労働の系譜学』 今野晴貴著 青土社 2420円 「ブラック企業」に「ブラックバイト」と人を使いつぶす雇用のあり方に対抗する労働運動を主導してきた著者は、資本主義の歴史的経緯を捉え、労働、労働運動がどう変遷してきたかを描く。賃労働が製造業からサービス業、ケアへと広がるなかで拡大したブラック企業とは、「賃労働に労働者を規律化させる」存在だという。労働運動とは本来、資本主義の侵食に抗するものだが、企業別組合が主体の日本では機能が弱い。本書はさらにAI時代の労働運動まで見通す。(A) 前の記事 12月2~8日(ビジネス/フィクション) 次の記事 『タカラヅカの解剖図鑑 詳説世界史』 中本千晶著 エクスナレッジ 1980円 文字サイズ 小中大 印刷