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週刊エコノミスト Onlineロングインタビュー情熱人

「祖国を諦めても自分の人生は諦めないという人たちに向き合い続けていきたい」=社会活動家 渡部カンコロンゴ清花

「実家がNPOをやっているから社会活動家になったと思われるのが嫌だった」 撮影=武市公孝
「実家がNPOをやっているから社会活動家になったと思われるのが嫌だった」 撮影=武市公孝

 難民受け入れに厳しい日本で、24歳から難民支援活動を始めた渡部さん。学生時代はバングラデシュの紛争地帯でインターンを経験し、帰国後に難民支援団体を立ち上げた。そんな渡部さんに「難民と日本社会」について聞いた。

(聞き手=斎藤信世・編集部)

「人生を諦めないという難民に向き合い続けたい」

「難民はネガティブなイメージをもたれることがありますが、実は高度人材の宝庫です」

── 2021年3月、スリランカ出身のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)が収容施設で亡くなった事案や、事実上の廃案となった入管法改正案など、21年は難民問題への注目が高まった1年でした。渡部さんが代表を務める難民支援団体「WELgee(ウェルジー)」ではどのような活動を行っているのですか。

渡部 難民として日本にやってきた20~30代の若者と一緒に、難民が活躍できる社会の実現を目指し、人材紹介サービス「JobCopass(ジョブコーパス)」などを行っています。(情熱人)

 難民というと、「危ない人たち」「可哀そう」「貧しそう」などといったネガティブなイメージを持たれることがありますが、実際は全然違います。祖国ではプログラマーとして働いていた人、多言語を操るジャーナリスト、修士課程を修了している人など、実は高度人材の宝庫なんです。

 本来であれば専門性を生かし活躍している人たちが、難民だから働けないのはもったいない。また少子高齢化が進む日本において、企業が高度なスキルを持つ難民を活用するという選択肢があってもいいのではないかと思い、ジョブコーパスの取り組みを始めました。

 実際にこれまで難民14人が正社員として企業に採用されています。ヤマハ発動機の事例では、同社は注力するアフリカ事業で日本と現地の橋渡し役となる人材を探していました。そこで、東アフリカ出身で、中国での起業経験もあるSさんを紹介したところ、マッチングが成立。現在も新規事業開発部のメンバーとして働いています。

NPOの家庭で育つ

── そもそも難民に興味をもったきっかけは何だったのですか。

渡部 実家もNPO(非営利団体)をやっているんです。私が中学1年生になった04年に、それまで県庁職員だった父と看護師として働いていた母が仕事を辞め、不登校の子どもや、家庭に居場所がない若者のための施設を始めました。もともと父は、児童相談所でケースワーカーとして活動していたこともあり、社会から取りこぼされた子どもたちと関わりたいという思いが強くなったのでしょうね。

 学校から帰ると、自分とは異なる家庭環境で生まれ育った人たちがたくさんいて、楽しかったです。あの頃に見たモノや聞いたモノ、経験したことが今につながっている面はあると思います。

 ただ、両親がNPOの立ち上げ1~2年目は本当にお金がなかったみたいで、私たち家族は近所の人からいただいた米や野菜で生活をしていました。自宅や車も売って、築100年ぐらいの長屋に引っ越したんですよ。

── 生活環境が変わることに不満はなかったのですか?

渡部 不満はなかったのですが、「とにかくうちはお金がない」ということが分かったので、高校は全額無償の学校を探し、静岡県富士見高校に特待生で入りました。大学は私立には行けないので、国際協力が学べる静岡文化芸術大学に進学。県民は入学金が無償なので助かりましたね。学費については家庭教師などのアルバイト代などで賄いました。

 大学3年生になった13年にはゼミのフィールドワークの一環でバングラデシュを訪れました。先生にお願いをして、政府が長年弾圧を続けるチッタゴン丘陵を訪問しました。将来国際協力の仕事をするには、現地に滞在し、政治や経済、社会構造を中から知る必要があると思ったんです。

── 誰でも行ける場所なのですか。

渡部 パスポートとビザだけでは入れない場所なのですが、調べたらバングラデシュの内務省から入域許可証を取得できることが分かったので、ゼミのフィールドワークの後に一人で行きました。バスで片道12時間、言葉が分からないので降りる場所も分かりませんでしたが、当時はまさに怖い物知らずでしたね。

 当初は2週間の滞在予定だったのですが、結局2年間滞在しました。大学は休学して、1年目は現地の先住民族が作ったNGO(非政府組織)の駐在員として、2年目は文部科学省が学生の留学を奨学金などで…

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