教養・歴史書評

『他者と生きる』 磯野真穂著 集英社新書 990円

『他者と生きる』 磯野真穂著 集英社新書 990円

 コロナ禍は医療にまつわる数字に人々の意識を向かわせた。重症化のリスクにワクチンの効果と副反応。調査データから複雑な計算式で導かれた「正しい知識」が、レトリックや著名人のエピソードと重なって人々の感情や行動を左右する。本書はそうした「統計学的人間観」が支配する現状を浮き彫りにする。より長く生きることが最優先なのかと投げかけ、同じ時間でも深く生きる人生を示す。「統計学的人間観」は医療に限らず問題意識となりうる。(A)

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崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

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