教養・歴史 書評 『他者と生きる』 磯野真穂著 集英社新書 990円 2022年3月4日 『他者と生きる』 磯野真穂著 集英社新書 990円 コロナ禍は医療にまつわる数字に人々の意識を向かわせた。重症化のリスクにワクチンの効果と副反応。調査データから複雑な計算式で導かれた「正しい知識」が、レトリックや著名人のエピソードと重なって人々の感情や行動を左右する。本書はそうした「統計学的人間観」が支配する現状を浮き彫りにする。より長く生きることが最優先なのかと投げかけ、同じ時間でも深く生きる人生を示す。「統計学的人間観」は医療に限らず問題意識となりうる。(A) 前の記事 2月3~9日(ビジネス/新書) 次の記事 電子版の普及でマンガ以外の分野も「コミック化」が進む=永江朗 文字サイズ 小中大 印刷