教養・歴史書評

『柔術狂時代』 藪耕太郎著 朝日選書 1870円

『柔術狂時代』 藪耕太郎著 朝日選書 1870円

 柔道のルーツとなった柔術は20世紀初頭、米国をはじめ世界各地で熱烈なブームを巻き起こした。その時代背景と実相を膨大な資料から読み解く。米国では日本人柔術家がボクサーと対決する異種格闘技試合が人気を博し、武術だけでなく健康や美容の手段として注目された。しかし、日露戦争で勝利したことを契機に日本は米国への脅威となり、柔術の受け止め方は好意から敵意へ一変。歴史に翻弄(ほんろう)された伝統文化の姿は悲しいが興味深くもある。(W)

インタビュー

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月9日号

EV失速の真相16 EV販売は企業ごとに明暗 利益を出せるのは3社程度■野辺継男20 高成長テスラに変調 HV好調のトヨタ株 5年ぶり時価総額逆転が視野に■遠藤功治22 最高益の真実 トヨタ、長期的に避けられない構造転換■中西孝樹25 中国市場 航続距離、コスト、充電性能 止まらない中国車の進化■湯 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事