教養・歴史 書評 『柔術狂時代』 藪耕太郎著 朝日選書 1870円 2022年3月4日 『柔術狂時代』 藪耕太郎著 朝日選書 1870円 柔道のルーツとなった柔術は20世紀初頭、米国をはじめ世界各地で熱烈なブームを巻き起こした。その時代背景と実相を膨大な資料から読み解く。米国では日本人柔術家がボクサーと対決する異種格闘技試合が人気を博し、武術だけでなく健康や美容の手段として注目された。しかし、日露戦争で勝利したことを契機に日本は米国への脅威となり、柔術の受け止め方は好意から敵意へ一変。歴史に翻弄(ほんろう)された伝統文化の姿は悲しいが興味深くもある。(W) 前の記事 2月3~9日(ビジネス/新書) 次の記事 電子版の普及でマンガ以外の分野も「コミック化」が進む=永江朗 文字サイズ 小中大 印刷