教養・歴史 書評 『なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない』 東畑開人著 新潮社 1760円 2022年4月1日 『なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない』 東畑開人著 新潮社 1760円 植田たてりさんの装画にあり、本書の中で意図的に頻出する語彙(ごい)でもある「小舟」が印象的だ。資本主義が徹底した過酷な現代社会の中に浮かぶ「小舟」。それが私たちの姿だと認識する著者は、小舟=ひとりぼっちであることは、同時に誰もがそう感じているという意味で「みんな」の苦しみでもあると言う。その中でどう生き延びればいいのか。カウンセリングルームで日々多くの人と接している臨床心理士の著者が、「読むセラピー」を展開してくれる。(K) 前の記事 3月3~9日(ビジネス/フィクション) 次の記事 配本の偏りや返品率改善などを目指し、新会社がスタート=永江朗 文字サイズ 小中大 印刷