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経済・企業挑戦者2022

記憶力を鍛えるアプリでで教育格差をなくしたい、「モノグサ」竹内代表の野望とは

撮影 武市公孝
撮影 武市公孝

竹内孝太朗 モノグサ代表 すべての教育は「記憶」に通ず

 世界中で学習の課題となっている「記憶の力」を鍛えるシステムを提供し、教育格差の是正を目指している。

(聞き手=白鳥達哉・編集部)

 記憶のためのプラットフォーム、「Monoxer(モノグサ)」を開発・提供しています。(挑戦者2022)

 モノグサは「問題を解いて覚える」をコンセプトに、国語や数学などの問題を反復して解いていき、記憶として定着させます。メインターゲットは小学校から高校までの学生ですが、専門学校や資格試験など、さまざまな教育の場面に対応が可能です。

 問題を解く際は「ヒント」が出るようになっているのですが、漢字の書き取りであれば、書き順をすべて表示する、一画ずつ最初の位置だけを点で表示する、表示しない──といったように、人工知能(AI)で生徒一人ひとりの学習進度を読み取り、記憶を思い出すことを経由して解答にたどり着けるよう、ヒントの量を自動的に変える機能を搭載しています。これによって、それぞれの生徒のレベルに沿った適切な学習が可能になります。

テストの得点集計や分析など、講師業務の自動化も行ってくれる モノグサ提供
テストの得点集計や分析など、講師業務の自動化も行ってくれる モノグサ提供

 また、日々の学習進度とその分析、テストの集計や採点、学習計画の提案などもモノグサが行ってくれるので、教師の業務負担の軽減にもつながります。

世界を平和にしたい

 私の両親は、人の役に立ちたいタイプの人間で、私が子どもの頃から、いろいろなNPO(非営利団体)やNGO(非政府組織)の支援をしていました。両親の姿をみていくうちに、私も何かの形で世界を平和にしたいと思うようになりました。

 そのためのアイデアを探し続けるなか、中学生のときにインドの経済学者であるアマルティア・センの存在を知ります。彼は、「教育格差をなくさないと貧困から脱却はできない」ということをよく言っていたのですが、その考えに感銘を受け、いつか教育格差是正を通して世界平和を実現する会社を興そうという目標を立てました。

 その後、企業勤めも経験してみようとリクルートに入社したのですが、そこでモノグサのアイデアが生まれます。同社ではグローバル案件にかかわってみたく、英語の勉強をするために書店に実用書を買いに行ったのですが、受験や資格の対策になる、いわゆるお勉強の本しかないことに疑問を抱きました。

 そこで、海外生活で使える実用的な英単語帳アプリを作ろうと思い立ち、プログラミングに詳しい友人に相談したところ、「似たような英単語帳が山ほどあるのは、覚えるということに対して課題があるのでは」という意見をもらったのです。それなら記憶の会社を作ってみようと思い至ったのが会社設立のきっかけです。

 代々木ゼミナールをはじめとし、導入教室数は4000を超えました。また、海外の日本語学校にも導入が進んでいます。今後は現地の言葉を現地の人が覚えるために使ってもらうようにグローバル展開を進めていきます。

 学習以外の領域もカバーしたいですね。例えばスポーツ。動きを認識するシステムを構築すれば、野球で理想のピッチングフォームの動きを覚えるといったことも可能なはずです。世界中にあるさまざまな情報をモノグサで覚える、そのような未来を目指していきたいです。


企業概要

事業内容:記憶プラットフォーム「Monoxer」の開発・運営

本社所在地:東京都千代田区

設立:2016年8月

資本金:12億8679万4652円

従業員数:64人(22年4月現在)


 ■人物略歴

たけうち・こうたろう

 1987年愛知県生まれ。2010年名古屋大学経済学部卒業後、リクルートに入社。中古車事業の広告営業、高校生向けサービスの立ち上げなどを経て、16年に高校の同級生である畔柳圭佑氏と「モノグサ」を共同創業。34歳。

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