出た!史上3位の当たり13億ドル 宝くじに見るアメリカンドリーム 溝口健一郎
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宝くじ「メガミリオンズ」で7月末、13億ドル(約1800億円)の当たりが出た。くじは1枚2ドルで2桁の数字を6種類選ぶ方式。当選が出ないと、売り上げは次回に繰り越しに。今回の巨額は29回も「当たり無し」が続いた結果だった。
実は筆者も10ドル分買っていたのだが、当たらなかった(当たっていたらこの原稿を書いていないだろう)。当選確率は約1400万分の1で、毎週買い続けたら、26万9000年に1回当たる。雷に打たれる確率の方が250倍高いという。米国の宝くじ史上最高の当たり額は2016年の「パワーボール」の15億8600万ドルで、今回は歴代3位の高額当選だ。
政府財源として活用
米国では、ガソリンスタンドや町の雑貨店で、週替わりで販売されている。多くは電光掲示板で現時点の当たり額を宣伝。その金額につられて買う人が増えれば、更に当たり額も積み上がるという仕掛けだ。筆者が住むメリーランド州では、スーパーマーケットのレジ横に宝くじ用のきらびやかな自動販売機を見かけることも多い。
歴史をさかのぼると、建国後しばらく、政府財源として宝くじが頻繁に活用されていた。しかし、汚職や経済危機、ギャンブルへの反感などから、1860年にはデラウェア州、ミズーリ州、ケンタッキー州以外の全ての州で禁止に。1960年代以降、現在のスタイルの宝くじが発展した。
今も宝くじ運営は州単位の認可制だ。認可は45州で、残りの州では宗教的な反感や他のギャンブル業界の反対などで宝くじは買えない。「メガミリオンズ」などは各州にまたがるシンジケートを形成することで、全米規模の販売を実現している。各州政府はニーズに応じ、収益を一般財源や教育・環境・医療などに活用する。
米建国の父ジョージ・ワシントンも、積極的に宝くじを政府財源…
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週刊エコノミスト
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