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週刊エコノミスト Online ロングインタビュー情熱人

パリでは金を 東京五輪バスケットボール女子日本代表キャプテン、高田真希

「スポーツ分野で働きたい女性スポーツ選手の受け皿を作りたい思いもあります」 RIGHTS提供
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高田真希 東京五輪バスケットボール女子日本代表キャプテン/47

 昨年の東京五輪で銀メダルに輝き、日本中を熱狂させた女子バスケットボール。高田真希さんは主将としてチームを率い、2024年パリ五輪では金メダルを目指す。また、競技普及と地域貢献にまい進する社長としての顔も持つ。(聞き手=元川悦子・ライター)»»これまでのロングインタビュー「情熱人」はこちら

現役アスリートとして2年前に起業

── 昨年8月の東京オリンピックでバスケットボール女子日本代表が初めて銀メダルを獲得してから、早いもので1年が経過しました。

高田 五輪自体、ものすごく充実していましたし、その後の1年もすごく濃密で長く感じます。一番の変化はメディアに出る機会が増えたこと。たくさんの人に注目してもらえましたし、街を歩いていても気付いてもらえることが増えました。今まではバスケットボールをしている人に声をかけられていましたが、そうではない人に知ってもらえたのはすごくありがたい。認知度が飛躍的に上がったと感じます。

── 東京五輪後にトム・ホーバス監督から恩塚亨監督に指揮官が代わりました。

高田 今は新キャプテンの林咲希選手(ENEOSサンフラワーズ)が負傷離脱していて、副キャプテンの自分が再び主将を務めています。現在は新監督の戦術にアジャスト(適応)しつつある状況です。トムさんと恩塚さんはそれぞれよさがありますが、恩塚さんになってからは場面ごとでの判断がより強く求められています。決まったパターンではなく、相手の動きに応じて最良の判断をして、簡単に攻める選択をしなければいけません。「最適解」を瞬時に見いだすことが非常に重要なんです。

歴代トップの得点記録

── 臨機応変な判断は日本人にとって一番苦手な部分といわれます。

高田 私自身は空いているスペースを見つけて動くのは得意だし、恩塚さんの要求にもアジャストできると思っていますが、経験の少ない若手は状況に応じた判断が難しい。決まった動き以外をやろうとすると遠慮や戸惑いが出たりしがちですが、徐々に浸透してきたかなという手ごたえはあります。

 私たちが見据えているのはアメリカに勝って金メダルを取ること。そのためには一人一人が高度な判断力や自立心を持たないといけない。そう考えて、恩塚さんもこの戦術を選択しているんだと思います。

── 9月22日にオーストラリア・シドニーで開幕する女子ワールドカップ(W杯)は最初の試金石になりますね。

高田 マリ、セルビア、カナダ、フランス、オーストラリアと同組で、この大会に出る国はどこも強豪。今回は日程的にもタイトですし、気持ちの面がすごく重要になってきますね。チーム力は日本の武器ですし、苦しい時に一丸となって頑張れたり、体力的に厳しい時にタフなディフェンスができたりするのも強み。スケジュールが厳しい分、相手を上回って勝つチャンスが広がってきます。ここで優勝すれば、24年パリ五輪の出場権も得られるので、何とか頂点に立ちたいですね。

 Wリーグ通算6897得点(21─22年シーズン終了時)と歴代トップの記録を保持する高田さん。身長185センチという恵まれた体格を生かし、ゴール下に近いセンターで活躍する。中でもリバウンド獲得のセンスに優れ、通算リバウンド数3647もトップを独走する。味方にすれば、これ以上なく心強い存在だ。全国屈指の名門・桜花学園高校(愛知県)時代から努力を積み重ね、09年から日本代表にも選出。その結果が東京五輪の銀メダルとして結実した。そして、そんな高田さんには「社長」というもう一つの顔がある。

── 20年4月に主にイベント業を扱う会社「TRUE HOPE」を設立しました。

高田 はい。自分一人で会社を立ち上げました。「バスケットを普及させたい」という思いが強くて、それを実行に移せる場を持ちたいと考えました。最初に始めた…

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