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週刊エコノミスト Online ロングインタビュー情熱人

応援歌でスポーツを支える 作曲家、神俊雄

「応援ができる楽しい球場になれば人は戻ってくる」撮影=中村琢磨
「応援ができる楽しい球場になれば人は戻ってくる」撮影=中村琢磨

神俊雄 応援家、作曲家/52

 プロ野球の千葉ロッテマリーンズや東北楽天ゴールデンイーグルスで応援を指揮した神俊雄さん。現在は活動の幅を広げ、さまざまな分野で楽曲を提供している。最近では社会人野球のトヨタ自動車の応援歌を手がけた。(聞き手=村田晋一郎・編集部)>>これまでの「ロングインタビュー 情熱人」はこちら

── 日本ハムファイターズの応援を始めるきっかけは?

神 子供のころ、小平市(東京都)に住んでいて、西武球場が近かったので、よく行っていました。そこで野球の応援を見て、面白そうだなと思うようになりました。また、ビジター側で観戦する機会もあり、ホーム側の西武ライオンズよりもビジター側の日本ハムの応援団は人数が少なかったので親しくなりました。どこのチームを好きかではなく、楽器を演奏したり、人前に出たりすることが好きだったので、1993年、中学1年生で日本ハムの応援団に入りました。

── 応援ではトランペットを吹かれていますが、楽器はいつから始めたのですか。

神 近所に教室があったので、小学校の時からピアノを習っていました。しかし、練習がきらいで途中でやめている状態でしたが、応援団に入って、選手の応援歌の作曲や編曲をするようになって、興味を持って考えるようになり、ピアノも上達したと思います。トランペットは親戚から譲り受ける機会があり始めました。

10代で応援団の中心に

── その後、千葉ロッテマリーンズの応援をするようになります。

神 普通に野球を見ているほうがいいなと思うようになった時期があって、日本ハムの応援団は中学卒業時に辞めました。しかしその後、応援団同士のつながりもあり、ロッテの応援団の人から応援歌を作りませんかと言われました。最初は応援歌の提供だけをするつもりでしたが、だんだんのめりこんでしまって、演奏したり、リード(応援の指揮)をしたりするようになり、チームを代表する応援歌の作曲をするなど、高校生なのにだんだん応援団の中心的な役割を果たすようになっていました。当時は都内の高校に通っていて授業が終わったら、そのまま千葉マリンスタジアム(現ZOZOマリンスタジアム)に通う高校生活でした。

── 高校卒業後は韓国に渡りますが、その経緯は。

神 韓国には97年のサッカーワールドカップ予選の日本対韓国戦を見に行ったことをきっかけに興味を持つようになり、言葉を覚えようと語学留学しました。韓国語を学ぶ一方で、ロッテジャイアンツの応援団で応援をしました。また、トランペット奏者を探していたバンドに加わり、プロミュージシャンとしても活動し、CDデビューしました。“応援が好きで韓国にやってきた日本人”ということで、韓国でも結構、有名になりました。

── 2002年、22歳の時に帰国します。

神 ロッテ応援団で2年ぐらい活動しましたが、他のことをやりたい気持ちが強くなり、応援団から離れました。その後は、韓国語を使う仕事をしたり、芸能の裏方の仕事をやったりしました。

 09年にロッテ応援団でトラブルが起きたこともあり、10年にロッテ球団からの要請で神氏は応援団長として、ロッテ応援団に復帰。「日本一」と称される応援を指揮した。そして、その年のロッテはシーズン3位から、クライマックスシリーズ、日本シリーズを勝ち上がり、「史上最大の下克上」で日本一となった。

コロナ禍での試行錯誤

── 10年に復帰したころはロッテの応援への注目も上がってきたように思います。

神 「マリンに集う我ら」や「千葉、心つなげよう」など、応援歌以外のチームのテーマソングを作るようなってから、他のスポーツからも作曲の依頼をいただくようになりました。ロッテの応援団長をずっと続けるよりは、他の道もあるのではないかと思うようになり、15年にロッテの応援団を辞めました。

 その後は、バスケットボールのBリーグの千葉ジェッツや高校野球の応援歌、ゲーム音楽やラジオ局のテーマソングなどを手がけました。活動の幅を広げたいと思っていました。

── 18年に東北楽天イーグルスの応援プロデューサーに就任します。

神 楽天球団から直接依頼があ…

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