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経済・企業 挑戦者2022

10万世帯が利用する花の定期便

撮影 武市公孝
撮影 武市公孝

武井亮太 ユーザーライク代表取締役CEO

 花が嫌いな人は少ないが、現代人の日常生活には花がないケースがほとんど。花のある生活を習慣化することを目標に置く。(聞き手=和田肇・編集部)

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花が定期的に自宅のポストに届く ユーザーライク提供
花が定期的に自宅のポストに届く ユーザーライク提供

 花を定期的に自宅のポストにお届けするサービス「ブルーミー(bloomee)」を運営しています。2016年6月の開始以来、利用者(会員)は10万世帯を超えています。利用するには、インターネットの「ブルーミー」のホームページにアクセスしてもらい手続きをするだけです。お届けは「レギュラー」「リッチ」「体験」の三つのコースがあり、「レギュラー」の場合は、4本以上の複数の種類の花をブーケにしたものが、間隔を空けて4回届きます。料金は1回当たり880円(送料385円)です。1回だけの単品購入もできますし、花が傷んでいた場合などは無料で再送しています。お届けする花の種類は、当社が専門的な目で見て選んだもので、配送に適さない花の種類もあります。ですから、利用者はどんな花なのか、届くまで分かりません。また、法人向けの同様のサービスも行っています。

 花は、自社工場もしくは提携している花屋さんから、通常の配送業者さんによって届けられます。花自体は花卉(かき)卸売市場から仕入れています。花は生ものですから、独自のノウハウで品質管理には非常に気を使っています。配送する花の箱も、花を保護しつつポストに入る形状、強度のものです。ポストに届けるのは再配達のリスクを避けるためですが、手渡しで届けるコースもあります。利用者は20~40代の女性が多いのですが、最近は男性も増えています。配送先の住所を変更して、相手へのプレゼントとして利用することもできます。

日常に花がある習慣を作る

 私は大学生の時から、日々の生活で誰でも使えるようなサービスを行う会社を起業してみたいと思っていました。花に興味を持ったのは、会社を退職する時に花をもらったのがきっかけでした。花は卒業式などイベントで目にする機会はありますが、日常的にはあまりないですよね。でも花が嫌いという人はほとんどいない。ITの力を使えば、世の中の多くの人に花の魅力を知ってもらうことができるのではないかと思って、この会社を立ち上げたわけです。最初はインターネットを使って花をプレゼントするEC(電子商取引)事業をしていたのですが、これがなかなかユーザーが拡大しませんでした。それで利用者にヒアリングをしたところ、「花は値段が高い」「家に花を置いているわけでもなく、プレゼントに花は思いつかない」などの話を聞きました。それで、価格のハードルを思いっきり下げて、日常的に花のある生活を体験してもらおうと思って、今の「ブルーミー」のサービスを始めたわけです。利用者の約8割は日常的に花を置いていなかった方たちです。

 今後は、花をプレゼントすることに関して、そのハードルをもっと下げられるサービスができないものかと考えています。花のある生活が習慣となるように広げていければと考えています。


企業概要

事業内容:花のサブスクリプション事業

本社所在地:東京都渋谷区

設立:2014年9月

資本金:35億4780万円(資本準備金含む、22年1月時点)

従業員数:32人(役員、正社員のみ)120人(全雇用形態含む、22年1月時点)


 ■人物略歴

たけい・りょうた

 1987年栃木県生まれ。宇都宮大学教育学部卒業後、複数のベンチャー企業に勤め、2014年9月にユーザーライクを創業。16年6月から現サービスを開始。35歳


週刊エコノミスト2022年12月20日号掲載

武井亮太 ユーザーライク代表取締役CEO 10万世帯が利用する花の定期便

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